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Channel: 桜井識子オフィシャルブログ「~さくら識日記~」Powered by Ameba
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みずから命を絶った人の供養

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とある山間部を運転していた時のことです。 峡谷の川に沿って走るその道路は、崖の中腹あたりのとても高い位置にありました。 道幅は狭く、右側は高い岩かべとなっていたためどんよりと薄暗くて、車がほとんど通らない……そんな場所でした。 道の左側はガードレールがあるものの、崖の中腹ですから、その向こうは谷底です。 下方には川が流れていました。 その道を、何を考えるでもなく、ぼ~~~~~~~~~っと運転していたら、はるか前方に男の人が見えました。 「あれ?」 その人の様子がどこか変です。 ガードレールを乗り越えた向こう側に立っていて、後ろ手にガードレールを握っています。 「何してるんだろう?」 次の瞬間、男の人はふわっと谷底へと落ちていきました。 「!!!」 自殺だ!!! 慌てた私はアクセルを強く踏み、現場へ急ぎました。 「電話は警察……じゃないな、救急車が先だ、落ち着け、落ち着け。私、落ち着け! とりあえず、確認しなきゃ」とスピードをあげて走りますが、現場までが遠く感じられます。 やっと近くまで来たところで、その男の人がまた、同じ場所にふっと現れました。 ガードレールの向こう側に立っています。 後ろ手にガードレールを握っているポーズも同じです。 そして、また……ふわっと谷底へと落ちていきました。 ああ、自殺した幽霊だったのか……とわかりました。 油断をしていると、このようにたまに幽霊を見てしまいます。 この男の人は自分が亡くなったことに気づいていないのですね。 自殺は自分が死んだことに気づかないパターンが多いです。 亡くなったあとも自分の体が生きていた時のように見えるため、気づきにくいのです。 きっと、死因となった体の傷の激痛があって苦しんでいると思うのですが、死ねなかったと勘違いして狼狽し、「もう1回飛び降りなければ!」となるようです。 本人が気づくまで、えんえんと自殺を繰り返します。 ご家族の方が自殺をなさったという場合、現場に行って、すでに亡くなっていることを教えてあげなければなりません。 本人が死んだことに気づかない限り、成仏ができないから続きをみる

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