お寺の中に「お社」があるところがあります。 お寺の境内なのですが、鳥居が立てられていたりもします。 そこでの参拝は、柏手を打ってするのだろうか……と、悩まれる方がおられるかもしれません。 このような時は、その鳥居の向こうに、どなたが祀られているのか……で判断をします。 豊川稲荷東京別院を例にしますと、こちらはお寺ですから、本堂も境内も完全にお寺の「気」です。 でも、奥の院には鳥居があります。 柏手を打って、ご挨拶をしてしまいそうになるかもしれませんが、鳥居の奥に祀られているダキニ天さんは「仏様」です。 ですから、そこにいくら「鳥居」があっても、仏様なので、柏手は打ちません。 高野山の「壇上伽藍」は、思いっきりお寺の境内ですが、奥のほうに「御社(みやしろ)」があります。 神社のような社殿があって、鳥居もあります。 「壇上伽藍」にはものすごく濃い、仏教の「気」が流れています。 けれど、この鳥居の奥にある社殿は、一宮が丹生明神、二宮が高野明神となっています。 丹生明神も高野明神も神様です。 丹生明神のほうの社殿は、本家の神社(丹生都比売神社)と太いパイプで繋がっていて、その神社から眷属が来ています。(『聖地・高野山で教えてもらった もっと! 神仏のご縁をもらうコツ』という本に詳しく書いています) 眷属は仏様ではありません。 よって、いくら高野山の、壇上伽藍の境内でも、この社殿では柏手を打ってご挨拶やお話をします。 眷属が来ていないとしても、祀られているのは神様なので、柏手を打ちます。 このように、そこに祀られている(来る)のが神様なのか、仏様なのかで判断をします。 お寺の中で、お稲荷さんのお社もよく見かけると思います。 お寺にいるお稲荷さんは、ほぼすべて眷属です。 お寺の中で独立したようなお社になっていても、本堂とは全然別のお社に見えても、そのお寺のご本尊の眷属なのです。 親分が仏様ですから、柏手は打ちません。 あ、でも、お寺の方が「柏手を打って下さいね」というところは、柏手を打っても大丈夫です。 どなたが祀られているの続きをみる
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