みずから命を絶たれた人が、成仏したての頃は、まだ力はほとんどありません。 しかし、手厚い供養・ありがたいサポートをしてもらったお礼は言いたいわけです。 心配してくれている家族に「もう大丈夫、成仏できたよ」という報告も、なんとかして伝えたいわけです。 そこで伝達方法として一番多く使われるのが、「夢枕に立つ」です。 この「夢」……ですが、これは故人がその人の夢の中に〝入り込んで〟姿を見せるのではありません。 人間は寝ている時に変性意識になります。 そのせいで、睡眠中はあちらの世界とつながっています。 それにより、亡くなった人を夢で見たり、予知夢を見たりします。 良くないほうの世界につながれば、金縛りにあったり、夜中にふっと目覚めて幽霊を見たりするわけです。 睡眠中は霊感アンテナをコントロールできませんから仕方がないのですが、このアンテナが向いている方向に故人は立つことができます。 そして言うわけです。 「たくさんの供養をありがとう。おかげで成仏できたよ」と。 もちろん、にっこりと微笑むことも忘れません。 この程度のことは力がなくてもできますから、あちらの世界から何かを伝えたい時は、とりあえず、夢の中から、というのが多いです。 で、故人はそのように伝えているのですが……受け取る側のアンテナの感度が悪ければ、言っている言葉が夢に反映されなかったりします。 仮に故人をお父さんだとしましょう。 お父さんが夢に出てきてくれた、けれど何も言わずに、ただニコニコしているだけだった……。 というそれは、お父さんのほうは「たくさんの供養をありがとう。おかげで成仏できたよ」と言っているのですが、アンテナの感度が良くないため、言葉の部分を夢に反映できないのですね。 つまり、完全に受け取る側のコンディションなのです。 アンテナの感度は人によって違いますし、日によって、またはその時の体調・精神状態によっても変わってきます。 感度が良くないと、若干、誤作動をすることもあります。 たとえば……。 お父さんったら、夢に出てきて「時計に水を飲ませなさい」って、どういう意味なんやろ? と悩んだりするわけです。 お父さんはあちらの世界から、「なんでやねん、ワシ、時間かかったけどな、成仏してるで~、って言うたのに」とツッコミを入れてたりします。 この場合、霊感アンテナがお父さんの言った内容を拾うことは拾っているのですが、「時間がかかった」を「時計」に変換し、「成仏した」を「水」に変換しているのです。 人によっては「時間がかかった」という言葉から「伸びたうどん」を睡眠中の脳が連想し、「成仏した」という言葉から「喜び」を連想しているかもしれません。 となると、変換後の夢はこうなります。 「お父さんったら、夢の中でびよんびよんに伸びたうどんを嬉しそうにニコニコしてすすってたわ~、笑うわ~」です。 夢の中に故人が出てきたということは、その故人がわざわざアンテナの向いている方向続きをみる
『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』