※前回の続きです。 秀吉さんのつらい状況を知ったあとで、日光へ取材に行きました。 まず、3代将軍家光公の御廟(大猷院)見たのですが、これがもう、豪華な造りで! ええーっ! とビックリしました。 同じ「廟」である豊国廟との差を考えずにはいられませんでした。 翌日、東照宮を初めて参拝し、驚愕しました。 お金がかかっています感がハンパないのです。 家光公の御廟とは比べものにならないくらい、超贅沢な造りでした。 華美でド派手な伽藍の数々を見て、「なんなの! 秀吉さんとのこの差は!」と腹が立ちました。 秀吉さんを暗闇に突き落としておいて、自分はこんなに豪華なところに手厚く葬られ、大権現として祀られているのです。 次元の隙間に落ちた秀吉さんは、400年間、ひたすら反省をし、ずっとひとりぼっちでした。 元気がなくなるのも、覇気がないのも当然です。 それなのに、家康さんは、自分だけ神様になり、ぬくぬくと400年過ごしてきたようです。 腹が立った勢いで、家康さんに文句を言いました。 「秀吉さんを大明神として祀ってしまい、そのあと神社を取り壊したせいで、秀吉さんは空間に取り残されているんですよ! 仏の道にも行けないし、神様にもなれないのですよ!」 腹が立っていたこともありますが、私が言わなければ誰が言う! という気持ちもありました。 すると、家康さんがしょんぼりとした口調で、「悪いことをしたのぉ~」と言いながら、出てきました。 その言葉に嘘はなく、〝心の底から〟そう思っていることは、感覚でわかりました。 後悔の感情や、謝罪したいという気持ちが、ひしひしと伝わってくるのです。 口だけでそう言っているのではない、とそこはハッキリとわかりました。 家康さんによれば、人間だった当時は、見えない世界の仕組みがよくわからなかったそうです。 ですから、秀吉さんがそのような状態になることを知らなかったのです。 豊臣家を完全につぶしておかないと怖かった、とも言っていました。続きをみる
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