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Channel: 桜井識子オフィシャルブログ「~さくら識日記~」Powered by Ameba
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怨霊の事情

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前回に続き、昔のお話を、もうひとつ書いてみようと思います。 江戸時代の初期、讃岐守(さぬきのかみ)の家来だった彦十郎という人のお話です。 彦十郎はすでにそこそこの年齢で、けっこう長くこの讃岐守に仕えていました。 けれど、知行の加増はまったくありません。(お給金を上げてもらえません) 彦十郎は不満に思います。 自分よりあとから家来になった者のほうが、どんどん出世しているからです。 彦十郎は「残念です」と讃岐守に言い、出仕するのをやめてしまいます。 この態度に、讃岐守は激怒します。 ただちに彦十郎を捕らえるよう指示をし、庶民以下の者の処刑法「斬首の刑」で殺すよう命じます。 彦十郎の妻や子どもも殺すように命じ、妻子は先に殺されました。 後ろ手にしばられ、首を斬られる寸前の彦十郎は叫びます。 「讃岐守に言ったことは事実ではないか! 妻や子どもに罪はないのに、どうして殺したのだ! 武士であるワシに切腹をさせず、斬首の刑で殺すこともありえないだろう!」 最後に、首を斬る役人にも、 「斬りそこなうなよ。近いうちに化けて出るからな」と言います。 役人のほうはそう言われても、まったく気にせず、「心得たり」と首を斬りました。 落とされた彦十郎の頭は、コロコロと転がり、首だけになっても役人を睨みつけ、そして目を閉じました。 その後、役人の家に、彦十郎が血まみれの首となって出現します。 恐怖におののいた役人は、わけのわからないことを叫びながら、刀を抜いてあらゆる方向を斬りつけます。 危ない、と家の者続きをみる

『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』


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