昨日、出版社の担当者さんと話をしていて、そこで話題が新刊の内容になりました。 「死ぬ瞬間がどのようなものか興味があるんですよ」と、その担当者さんは、亡くなられたお父様のお話をしていました。 それを「へぇ～！ そんなことがあるんですね～」と聞いていて、「あ！ そういえば！」と思い出したことがあります。 それをちょっと書いてみたいと思います。 福祉用具専門相談員をしていた時のお話です。 介護ベッドをレンタルしていた利用者さんは９０代後半の女性でした。 日に日に元気がなくなっていって、ほぼ寝たきりの生活をされており、もう長くはない……という状態でした。 病気だったのですが、老衰もあったように思います。 利用者さんが亡くなられると、介護用の電動ベッドは邪魔になるので、すぐに引き取りに行かなければなりません。 連絡が来たので、急いで行くと、亡くなられた利用者さんのそばには息子さんと息子さんの奥さんがいました。 息子さんの奥さんは、「おばあちゃん、静かに亡くなったのよ～」と、前日からの様子を話してくれました。 そこで、「不思議なことってあるのね」と、しみじみと言います。 「何か、不思議なことがあったのですか？」とお聞きすると……。 利用者さんはもう食事ができなかったので、腕など動かせないくらい弱っていました。 それなのに亡くなる少し前に、なんと、自力で、胸のところで合掌をした、というのです。 「それって、けっこう力を使いますよね？」 「そうなのよ〜。でも、こうしてね、胸の上で手を合わせたまま、亡く続きをみる
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