「叶えてもらうことは難しいだろうな」と自覚している願掛けでしたが、それでもあちこちでお願いをしました。 あまりにも遠いところや、本やブログに願掛けのことまで書くかもしれないところではお願いしなかったのですが、とりあえずせっせとどこででもお話はしました。 しかし、一向に叶う気配はありません。 願を掛け始めて１年が経過した頃、本の取材で高野山に行きました。 あちこちの宿坊に連泊をする取材でしたから、長く高野山内に滞在します。 ２回、その取材に行ったので、高野山での時間がたくさんありました。 そこでは願掛けではなく、何回も、長々と、「音を伝えたいんです」ということを、空海さんや高野山にいる神様の嶽弁天さんにお話をしました。 その後も相変わらず、まったく叶う気配はなく…… さらに１年近くがすぎたある日（願掛けからは２年近くたっています）、１通のメールが届きました。 見ると、キングレコードさんからです。 ドキドキしつつ読んでいくと、「音という形で、先生の世界を表現させていただけないかと考えまして、ご連絡させていただいた次第です」と書かれているではありませんか！（最初のメールなので先生となっていますが、今は桜井さんと呼んでもらっています） やっと、チャンスが来た～！ と思いました。 はるばる東京から打ち合わせに来られた方は、女性のディレクターさんでした。 まずは、持ってこられた企画をお聞きしました。 メールに書かれていたように、スピリチュアルな世界を音で表現したいとのことで、例として風鈴のＣＤを制作したことがある、というお話をされていました。 神社の神楽鈴や幣の音、雅楽、お寺の金剛鈴や大太鼓、修験道の法螺貝など、スピリチュアルの世界でも「音」はとても重要です。 そのことと、風の音などで龍を表現できることを私から提案しました。 女性ディレクターさんは、それらの音を集めること、バーチャル参拝なども表現したいのでその際は何かお話を書いてほしい、というようなことを言われました。 雑談をはさみながらの打ち合わせですから、話はあちこちに飛んだりしていたのですが、打ち合わせはここで完結……みたいな雰囲気になりました。 一般的な打ち合わせだったら、「終わり」という雰囲気になれば、私もそれ以上は言いません。 ですから、ごく普通の打ち合わせだったら、遠慮してここで終わっています。 しかし！ 私が作りたいＣＤは、「音」だけのものではないのです。 真言、般若心経、祝詞入りです。 そして、キングレコードさんはやっと来たチャンスなのです。 女性ディレクターさんには申し訳ないのですが、音だけのＣＤだったら発売する意味がありません。 そこで、思い切って言いました。 「そのＣＤには、真言、般若心経、祝詞続きをみる
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