文庫化について、ちょっとお伝えしておいたほうがいいのかな~、と思うことがあるので、書かせていただきます。 今回、4社ほど加筆をしております。 高いお金を出して単行本を買ったのに、その4社分が読めないなんて……早く買って損をした、と思われる方がいらっしゃるかもしれません。 4社分だけを有料メルマガにしてほしい、電子化してほしいというご要望もありました。 以前に一度書いたような気もするのですが、発売した本には版権という権利の問題があって、私が勝手にあれこれすることができません。 私が書いたものだから、私が自由に使ってもいいと思われるでしょうが、加筆の4社分を販売してもいいのは、版権を持っている出版社さんだけです。 本は1冊1冊契約書を交わします。 そこには、いくら著者だからといって、私が勝手にしてはいけないことが書かれています。 書いたのは私ですが、原稿をお渡しして、本になった時点で私に権利があるのではない、ということを、どうかわかっていただきたいです。 この本は長い間、売り切れ状態でした。 重版するかどうかの判断は私の原稿を担当している編集者さんが決めるわけではなく、営業の方が決めます。(どの出版社さんもそうです) 私の担当編集者さんが、この本をもっと多くの人に読んでもらいたいと思ってくれても、重版を決めるのは営業部なので、してくれなければそのまま絶版です。 それで、なんとか文庫化できないか……と、上に掛け合って下さったのです。 販売戦略、という計画的なものではなく、この本をこのまま絶版にさせたくない、ということで担当編集者さんが苦労をして、文庫化の決裁をもらって下さいました。 そのありがたい担当者さんに、「加筆して下さい」と依頼をされて、「いいえ、書きません」とは言えないです。 高い単行本を買った読者に悲しい思いをさせないで下さい、文庫化をしなければいいじゃないですか、と思われるかもしれません。 そのお気持ちは本当によくわかります。 重ねて言いますが、この本は、長い間売り切れ状態でした。 「買いたいけれどどこに行っても置いていないのです」「〇〇書店や××書店など、さんざん探しまわりましたがありませんでした」「どうか、増刷してもらえませんか」 というメッセージを多くいただいておりましたので、この本に書かれた神仏を必要とされる方に、どんな形でもいいからお届けしたいな~、という気持ちがずっとありました。 最近、新しく読者になって下さった方もいらっしゃいますから、2年前の売り出した時に買わなかった人のことはしりません、とは、どうしても割り切れないです。 ですから、文庫本化していただけるのは、ものすごくありがたいです。 実際、「ほしかったので嬉しいです」「楽しみです」というメッセージも届いております。 新しく読者になって下さった方にも、本に書いている京都の神社仏閣から、ご加護をいっぱいもらっていただきたいです。 けれど…… 古くからの大切な読者の方に、損をしたと思わせてしまったことも事実で、そこは大変申し訳なく、また、心苦しく思います。 誠に申し訳ございません。 いろいろな事情があることを、どうかご理解下さいますよう、切にお願い申し上げます。 *~*~*~*~*~*~*~*~ 東京に来て、豊川稲荷に参拝した時のお話をずいぶん前に書きました。 出直してこい、と言われた時のことです。 あれから、元夫とたまたま赤坂近くに行く用事があったので、早めに出かけて一緒に参拝しました。 元夫は初参拝です。 「ここはなんの神様?」と聞くので、 「ここはお寺やから、仏様。手を叩いたらあかんよ」と先に注意しておき、ダキニ天さんの説明をしました。 本殿では中に入らず、ご挨拶だけにして、奥の院へと行きます。 元夫はよくしゃべる人なので、ここでもずっとしゃべりっぱなしです。 「はいはい、なるほどなるほど、そうなんや~」と聞いていると、意識を、見えない世界と私の上にだけ置く、ということができないため、眷属の様子がわかりません。 どんな感じで見ているのかな~、と思いつつ、奥の院に上がらせていただきました。 ここでは、さすがの元夫も凛とした空気を感じたようで、「ここ、すごいな。神様がおる! って感じやな」と言います。 そうやろそうやろ、ダキニ天さんは力が強いからね、と、ダキニ天さんのお姿を教えるために掛けてある仏画を指し示しました。 元夫はじーっと見て、「へ~、キツネに続きをみる
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