西表島を車で走っていると、このような看板があって、 「うわ〜、私が今いるのは西表島なんだなぁ」と感動しました。 この島も原始感が強いです。 手付かずの自然(亜熱帯性の植物だそうです)が、なんとも不思議な「気」を発していて、古代の地球を連想させてくれます。この島の「気」は独特なもので、石垣島と近いのに、島の雰囲気は違っていました。 とりあえず、島の一番奥(北西部)に行ってみました。案内図を見てもらうと、おわかりになるかと思いますが、西表島はぐるっと1周できないのです。南西1/3の部分には道がありません。 一番奥のところへ行って、そこから東へとまわり、南下しようと考えたのです。 この時、私の西表島に関する知識はゼロに近く、マップを見ながら、もしくは車で走っていて、直感で「ここだ!」と思ったところを見よう、と決めていました。 こう書くと、直感がえらい優れている人のように聞こえるかもしれませんが……違うんです。 事前に調べる時間がなくて、行き当たりばったりと言うか、一発勝負、出たとこ勝負で取材です。(←たまにこれで大失敗をしています) 島の奥から少し北上すると、漁港と集落がありました。 〝車のナビ〟をチラリと何気なく見たら、御嶽のマークがあります。 あれ? こんなところに御嶽がある〜、と思いましたが、私としては海の神様に会いたかったので、そのまま通り過ぎました。 しかし、磁力にぎゅいーんと引っ張られる感覚があって、通り過ぎたあともいつまでも気になって仕方がありません。 そこで一旦、路肩に停車をして調べてみました。 スマホでグーグルマップを見ても、ネットで検索をしても、その御嶽の情報はどこにもありませんでした。 きっと小さな小さな御嶽で、地元の人しか知らないのだろう、行かなくてもいいかな、と先へ進もうとしたら、突然、猛烈におトイレに行きたくなりました。 ( ̄ー ̄; …………。 時間的にもうちょっと大丈夫のはずなのに、なんでこんなに急に? と思いましたが、待ったなしの状態なので先ほどの御嶽近くまで戻りました。 そこには公衆トイレがあるからです。 「ふぅ」と、おトイレを済ませると……御嶽はすぐそこで……行ってみました。 失礼ながら、軽〜い気持ちで訪れた御嶽でしたが、敷地に入ると「うわぁ〜!」と驚くほどの神聖度でした。 拝殿は閉まっていたので、奥へと進むと……土地の「気」が古くて、歴史のある御嶽のように思いました。 拝殿の後ろにはイビがあって、その横に奥へ行く小道があります。 小道の奥には石段があって、その上にも祈る場所がありました。が、こちらはノロが祈るイビとは種類が違います。行かないほうがいいと思います。 イビの前で、「言葉が違うとは思いますが」と前置きをして祝詞を唱えていたら……。 この御嶽で祭祀をしていた歴代のノロ(西表島での呼び方がわからないのと、沖縄を含めた南の島でこのお役目をされていた方の呼び方を統一したいので、以後はノロと書かせていただきます)が、ワラワラと出てきました。 14〜15人いました。 全員女性です。 紺色の上着に鉢巻をした民族衣装の人もいれば、白い服を着た人もいます。 「ここは、神様がいるところでしょうか? それとも、祈るところでしょうか?」と聞くと、 「祈る場所である」と全員が口々に答えます。 祈る場所であり、それによって神様が降臨すると言うのです。 神様は木に降りるという続きをみる
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