先日のことです。 早朝5時に起床をして、6時に家を出ました。 その日は1日中動き回って、移動も多く、もう本当にへとへとに疲れていました。 ヨレヨレになって駅から自宅へのバスに乗った時間は、夜の22時30分です。 バスには、遅くまで仕事をしたと思われるサラリーマン風の人が多く乗っていました。 どの人もしんどそうでした。 ドアが閉まって、バスが動き始めると、運転手さんがアナウンスをしました。 路線バスですから、発車をする時は「どこどこ経由何々行き、発車をします」というアナウンスが普通です。 中には無愛想な運転手さんがいて、何も言わないまま、無言で発車するバスもあったりします。 しかし、この日の運転手さんは違っていました。 「皆様、今日も1日、お疲れ様でした。ご自宅までの短い時間ではございますが、バスの中でゆっくりおくつろぎ下さい」 というアナウンスだったのです。 え? と何人かの人が反応しました。 そして次の瞬間に、「ほ〜!」と、なごむ気配が車内に漂いました。 空港からのリムジンバスだったら、そのようなねぎらいの言葉をかける運転手さんもいますが、路線バスでは珍しいです。 と言うか、私は初めて聞きました。 精も根も尽き果てて、へろへろになっていた私でしたが、「今日も1日、お疲れ様でした」という、そのひとことで、疲れが吹っ飛びました。 「あ〜、いいな〜、優しい声かけだな」と思うと、非常にほっこりした気分になりました。 このような〝声かけ〟は、声をかけている本人が思っている以上に人を癒しています。 少し前に、昔、神社で結婚式を挙げました、とおっしゃる方からメッセージをいただきました。 事情が複雑だったそうで、親族の参列がなく、2人だけの小さな小さな挙式だったそうです。 でも、たまたま居合わせた参拝客の人が、拍手をしながらニコニコと「おめでとう〜!」と声をかけてくれたそうです。 すると、その場にいた他の参拝客の人々も寄ってきて、口々に「おめでとう〜!」と言って、拍手をしてくれたのだそうです。続きをみる
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