今回の取材では、最終日の前日にお寺の宿坊に泊まりました。 この日はあいにくの雨模様で、ザーザーと朝からひどく降っていました。 お寺は交通のアクセスが良くない場所なので、生涯で参拝するのは今回限りだろうと思った私は、お寺に向かう車の中で穂高さんを呼びました。 「穂高さん」は、人ではなく穂高連峰にいる龍です。 私が勝手に名前をつけて、こう呼んでいます。 穂高さんに、雨を降らせないでほしい、と言うと、了解、といった感じで、しゅるる〜ん! と天高く飛翔していきました。 それから天気はみるみるうちに回復しました。 真っ黒い雲が空一面にあったのに、だんだん白い雲になり、それが途切れ、やがて雲間から日が射し始めたのです。 「おぉ〜、やっぱり穂高さんはすごい!」と思いました。 この天気の回復具合は、何度見ても感動します。 晴れてきたので安心していたのですが、お寺まであとちょっと、という距離になると、また雲が多くなってきました。 あれ? おかしいな……と思ったのですが、とりあえず宿坊にチェックインしました。 宿坊のきまりごと、食事・入浴時間などの注意事項を聞いて、荷物をお部屋に持っていきました。 夕食まで時間があったので、境内を散策することにし、宿坊の建物を一歩出たら……風がびゅうびゅう吹き荒れていました。 台風? というくらいの風速です。 空は真っ黒い雲に覆われていて、今にも雨が降りそうです。 おかしい、なんでだろう、と思いつつ歩いていると、石段が目に入りました。 鳥居があったので、石段の上には神様がいると思われます。 お寺の中なのに、神様がいるのか〜、と石段のそばまで行くと(ここは普通のお寺とはかなり違った雰囲気なのです)、龍神とお稲荷さんの名前が書かれていました。 石段を上ると、小高い丘の上に2つのお社がありました。 大きなお社が龍神となっています。 お寺の境内ですし、龍が神様として入っているのかな? と、半信半疑で祝詞を唱えてご挨拶をすると、姿を現してくれました。 ちゃんと入っていたのです。 この龍の神様に、どうしてお天気が悪くなったのか、聞いてみました。 穂高さんにお願いしたので晴れるはずなのですが……ということも、ついでに言いました。 すると、このお寺がある地域一帯は自分の管轄である、と龍が言います。 今日はこの天気(風が台風並みの強さで、雨が時折落ちていました)の予定なので変えられな続きをみる
『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』