ベルロックは、岩山がベルの形をしているところから名付けられたそうですが、普通の山と違うので登るのが怖かったです。 駐車場に車を止めて歩いて行くと、ベルロック正面に着きます。 ふもとにはちょっと広い場所があって、登るのは右か左、というサインがあります。 中国から来た男女のグループ(あとで会話をして知りました)が、右側のほうへぐるりと回り込んでいたので、 「あ、そっちから登るほうがいいのね」 とついていくと……見事に行き止まりになっていました。 そこで全員 「 ( ̄_ ̄ i) …………」 となり、仕方なく引き返します。 岩が急斜面になっているので、歩くのが怖いです。 足を滑らせたらゴロゴロゴロ〜と転がって、はるか下方まで落ち、骨折は確実なのです。 というか、骨折で済めばラッキーという地形です。 わずかな段差につまずいて、 「おっとっとー」 と、なることがよくある私は慎重に歩きました。 登り口は右側じゃなかったら左側ってことね、とグループの人も私も当然そう思い、今度は左に回り込んでみました。 が、なんと、こちらもある程度のところまで登ったら行き止まりでした。 なんだ、この岩山は上まで行けないんじゃん、とグループの人たちは諦めて帰って行きました。 1人の空間になったので、私はそこの岩に座り、向かいの山を眺め、お話を聞いていると……上まで登れると言います。 どっから? と思ったら、正面から、ということでした。 正面? あんなにきつい勾配のところを? と半信半疑で正面に行ってみました。 う~ん、登るのはなんとかできるとしても、下りる時に転落する確率85%だな、というのが私の感想です。 ビビりな私は即座に 「無理!」 と結論を出し、ここはもうお話も聞けたし、次のスポットに移動しようと思った、その時でした。 どこからともなく、おじいさんがひょっこり現れました。 え? どっから来たん? と思う角度で現れ、しかもですね、上半身が裸なのです。 上のシャツを脱いでいて、下は短パンです。 そして、どっからどう見てもおじいさんです。 足元はヨボヨボ気味で、 「だ、大丈夫ですか?」 と声をかけたくなるほどの高齢です。 そのおじいさんが、棒の杖をつきながら登って行くのです! 転落する確率85%の急勾配を! 私の横にいた若いアメリカ人カップルも、危険だとか怖いとか言っていたのですが、登って行くおじいさんを見て、ついて行く決心をしたようでした。 あんなにヨボヨボのおじいさんが登れるのなら私もいける? と、勇気づけられた私もチャレンジしました。 しばらく登っていると、前を行くカップルの男性が 「エイティ イヤーズ オールド?」 と大声で叫んでいました。 おじいさんと会話を交わしていたのです。 それを聞いた後ろから行く私もビックリ仰天続きをみる
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