少し前になりますが、古民家に宿泊したことがあります。 情緒ある古い家に手が加えられていて、快適に泊まれるようになっていました。 調度品なども、さりげなく骨董品が置かれていたりして、タイムワープしたような気分になりました。 楽しかったです。 でも…… いるんですね~、古~い家には古い時代のお方が……。 部屋に入った時にラップ音が鳴ったので、ん? と思ったのですが、 いやいや、今のは空耳、ということにしました。 けれど、お風呂場に行く時には、真後ろで足音がしました。 パサ、パサ、パサ、と。 ついてくるんです、私のあとを。 振り返ってみても、もちろん、誰もいません。 さらに、ひとりでお風呂につかっていると、耳もとで、女性の話しかけてくる声がかすかに聞こえました。 困ったことに、この方には悪意はなく、どうやら喜んでいるみたいなのです。 長年、放っておかれた家のようですから、暗くて寂しかったのかもしれません。 それが今は、家は明るく改装され、お客さんが来るようになり、そのことが嬉しいみたいです。 「わかる人が来た!」と思われては困るので、気づかないふりをしておくことにしました。 そうすれば無事に帰れるかな、と考えたのですが……。 布団に入った時に、私の耳のすぐそばで、ラップ音が、異常なくらいの大音量で鳴りました。 うわぁ! こりゃ、夜中に出るなー! とわかりました。 悪気はないようですから、ニコニコして続きをみる
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