※お玉ちゃんシリーズの続きです。 箱根関所から小田原市のほうへ、レンタカーを走らせていると、周囲がなんだか、徐々にどんよりとした雰囲気になっていきました。 道が、山の中を走るような感じだったので、両側が深い森だからかな? と、最初はそう思いました。 けれど、どんどん薄気味悪い空気になっていくのです。 山道で、日が落ちる時間だからかな~? と、明るく考え、気にしないようにしましたが……どうもおかしいのです。 少しずつ「気」が、重たく、暗く、低く、粘っていくような感じになっていきます。 霊気が漂っているのです。 ちょうどその時、知人が「ここがお玉ヶ池」と教えてくれました。 見ると、左側前方に池がありました。 そうか、ここなんだ~、と池をよく見ようとしましたが、運転をしていたので、脇見ができません。 速度を落として、ゆっくり見よう、としたのですが、 バックミラーを見ると、後ろから猛スピードで迫ってきた車がいました。 いきなり速度を落とすのは危険だし、思いっきりクラクションを鳴らされそうです。 「ちょっと停めるね」と、ことわって左に寄せて車を停めたら…… そこは「お玉ヶ池」と彫られた、大きな石の、ちょうど真ん前でした。 石を見たその瞬間に、体の芯からゾ~ッとしました。 「ここはヤバい!」とわかったので、あわてて車を発進しました。 車から降りなくても、池を見るために少しでも長居をしたらアウト、というほどの霊気だったのです。 日中、太陽光がサンサンとふりそそいでいる時間なら、そうでもないと思いますが、なにせ逢魔が刻でしたから、霊気がすごかっ続きをみる
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