皆様、お玉ちゃんの伝説をご存じでしょうか? 私はこの年になるまで、まったく知りませんでした。 私がそうだったように、ご存じではない方もいらっしゃると思うので、まずは、お玉ちゃんの伝説をご紹介します。 ~*~*~*~*~*~*~*~*~*~ 時は江戸時代、1702(元禄15)年のことです。 お玉という名前の少女がいました。 伊豆国大瀬村(現在の静岡県です)の、お百姓さんの家に生まれたお玉ちゃんは、江戸へ奉公に出されました。 奉公先は親戚の家だったそうですが、お玉ちゃんはまだ少女です。 よその家で「働く」ことが、かなりつらかったようです。 「実家に帰りたい」と、両親を恋しく思ったお玉ちゃんは、ある日、こっそりと奉公先から逃げ出します。 箱根の関所近くまで逃げて来ましたが、お玉ちゃんは通行手形を持っていません。 関所を通れないのです。 関所を通れなければ、戻るしかないのですが、お玉ちゃんは家に帰りたい一心で、関所の裏山を越えることにしました。 関所から少し離れたところまで行き、そこから山に登ろうとしました。 しかし、箱根の関所は、山の上まで柵をめぐらせていたため、その柵を乗り越えなければいけません。 現代と違って、着ているものは着物ですし、まだ大人になっていないお玉ちゃんですから、うまく柵を乗り越えることができず…… 続きをみる
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