前々回にお伝えしたのは、実際の祈祷の様子です。 先に、前々回の修正をしておきますと……(参拝記録を確認しました) ご本尊の厨子は閉まっていますが、中央が元三大師さんを拝むところです。(厨子が閉じられていても、元三大師さんは内陣におられるのでしっかり聞いてもらえます) 右側にもお不動さんがいるのですが、このお不動さんは、左側のお不動さんに通じる仏像です。 祈祷をしない人は、左のお不動さんを拝むことができませんから、右のお不動さんにお願いをするといいです。 左のお不動さんに届くようになっています。 というわけで、今回は、見えない世界では、祈祷がどのようになっていたのかを説明します。 お寺によって、仏様の厄の落とし方や、ごりやくの与え方が違います。 ですから、お不動さんとひとくちに言っても、祈祷の時に、私たち人間にしてくれることは、お寺によって違うのです。 喜多院では、最初の般若心経が始まると、お不動さんが仏像から出てきました。 それが、「ひぃぃ〜えぇぇ~!」と、のけぞってしまうほどの、大迫力のお不動さんです。 元三大師さんが言っていたように、強烈に強いです。 ここでまず驚いたのは、お不動さんが出てきたら、右側から元三大師さんが、左側から天海さんがスッと出てきたことです。 「え? なになに?」と思っていると、おふた方は、護摩を焚いているお坊さんの両側にサッと座りました。 そして、なんと! お不動さんに頭を下げて、私のことをお願いしてくれるのです! お不動さんが「うむ」とうなずきます。 大感動しました。 私が事前にお話をした、孫娘を守ってもらいたいというお願いを、おふた方とも立派な仏様になっておられるのに、一緒に頭を下げてくれたのです。 ありがたくて、涙が出ました。 だいぶ前ですが、比叡山延暦寺の釈迦堂で、最澄さんが同じように、私のためにお釈迦さんにお願いをしてくれたことがあります。 もしかしたら、最澄さんをお手本とした、天台宗の仏様(もとが人間の仏様)の特徴なのかもしれません。 喜多院は、祈祷をお願いした人がもらうおふだを、お不動さんの仏像の真ん前に置きます。 お不動さんの前では、護摩が焚かれていますから、仏像と護摩の炎の中間に置く、というわけです。 おふだは、「炎に向けて」置かれています。 ここで驚いたのは、お不動さんが、そのおふだを左手……つまり羂索(けんさく)を持ってるほうの手で抱くというか、抱えてくれるのです。 おふだの表を炎に向けたまま、です。 仏像から出てきて、こちらを向いたまま、座ったポーズで胸におふだを抱えています。 こうすることで、お不動さんの強大なパワー、お不動さんの高波動とともに、護摩のパワー(火のパワー)も入るようにしています。 普通の祈祷は、神様や仏様の、パワーや高波動が濃厚に入ったおふだをもらえます。 このお不動さんは、そこにプラスして、護摩の火が持つ力も入れているのです。 喜多院の護摩の炎は、悪いものを残らず焼き尽くす、驚異的なパワーです。 その理由は、お坊さんがたくさんの印を結ぶ時に、時々、ローソクの火に手を当てているからです。 〝火で浄化した〟悪いものが一切ついていな続きをみる
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