※前回の続きです。 おじいさんに遭遇した時は、円仁さんに言われた言葉が心に浮かびます。 『ごほうび参拝』という本に書いたのですが、円仁さんは、若くして亡くなった後輩に何度も涙したそうです。 幽霊になった人がいたからです。 お坊さんで、仏教の勉強をしていても、幽霊になることがあるのです。 どんなに勉強をしても、修行をしても、必ず成仏できるわけではない、と言っていました。 円仁さんが教えてくれた、その理由は、「魂を現世にしばりつけるような念を持っているから」だそうです。 自分をしばる念を、3次元に置いてしまうと、成仏できないのです。 その念というのは、「憎い」とか、「あいつは許せない」という憎悪の念だけでなく、 残った家族を心配する、強い「愛情」もそうです。 「あれをしたかった」「これもしたかった」という後悔の念もそうですし、 「残した貯金がどうなるのか気になる~」なども同じです。 私は、円仁さんに、 「どうしても書きたかったテーマの本を書いている途中で死んでも、残りを書きたかったとか、完成させたかったと思ってはいけない」 と言われました。 「死んだら、すべてを手放しなさい」と言われたのです。 私は、死後の世界のことは、100パーセントではありませんが、よく知っています。 その私に、あらためてこのようなアドバイスをしてくれたのは、円仁さんが幽霊となった後輩を見て、心を痛めたからだろうと思っていました。 けれど、203のおじいさんを見て、円続きをみる
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