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以前、このブログに書いたことがあるDさんのお話です。
サービスに伺うようになって間もない頃、まだDさんの家に慣れていなかった私は失敗をしたことがあります。
お昼はホットケーキが食べたい、というDさんのリクエストに答えてホットケーキを焼き、食べてもらっていました。
私は夕食も作らなければならず、そのまま台所で調理をしていました。
すると、Dさんがお皿に載せた食べかけのホットケーキを持って、台所にやってきました。
見ると、1/3ほど食べて、あとは残しています。
Dさんはすまなさそうに 「頑張ったけどな、辛ろーてな、これ以上は食べられへん、すまんな」 と言いました。
へ?
辛い?
そこで、 「えっ!」 と思った私は、慌てて砂糖だと思って入れた白い調味料を舐めてみたら・・・、なんと塩でした。
まー、識子さん、味を確かめないで入れるなんてヘルパー失格よ、との声が聞こえてきそうですが、ちょっと言い訳をさせて下さい。
Dさんちには白い物体が入った調味料容器が2個あります。
普通に考えると、どちらかが塩でどちらかが砂糖だと思ってしまいます。
そこで、片方を舐めてみたら塩だったので、当然、残ったもう一方は砂糖だな、と思いました。
なんの疑いもなくそう思ったのですが、実はどちらにも塩が入っていたのです。
そんなことがあるの? と思いましたが、あるのですね・・・人のおうちは不思議です。
砂糖は・・・というと、戸棚の奥の方に、小さな袋のままで、輪ゴムで縛った状態で置かれていました。
「Dさん、すみません、申し訳ございません、本当にすみません」
私は必死で謝りました。
どう考えても、味見をしなかった私が悪いです。
貴重な食材を無駄にし、さらに塩辛いホットケーキを食べさせてしまったことが申し訳なく、心から謝りました。
Dさんは 「間違えてたんか~、そりゃ良かった、辛い味付けの人か思た」 と笑っていました。
ちゃんと確認せなあかんで、とか、今度から気をつけてな、などの言葉はひとことも言いません。
本人が十分反省しているのだから、これ以上責める必要はないと考えたようです。
もしそこで、 「気ぃつけなあかんで」 とわざわざ言うと、叱る形になってしまい、相手がいい気持ちがしないだろうとの思いやりからでした。
Dさんの優しさは、私の心に深く残りました。
「人の一生とは」で書いたセツコさんちでもあったそうです。
これは同僚が体験した話です。
セツコさんのお宅は、古いお風呂で、ガスで沸かす方式です。
給湯設備がないのでシャワーもありません。
ガスに点火したら、タイマーをセットしておきます。
タイマーでちょうどよく沸くのですが、給湯したお湯と違って、上の方は熱いが下はぬるい、という状態で沸きます。
なので、沸いた後は必ずかき混ぜます。
それを同僚は、うっかり混ぜるのを忘れたそうです。
つい給湯感覚になってしまっていたのでした。
「セツコさーん、お風呂沸きました」 の声で、セツコさんは裸になってヘルパーと一緒にお風呂場に行きます。
お風呂場は狭いので、セツコさんしか入れません。
ヘルパーは戸を開けたまま、脱衣所から見守っています。(頭も脱衣所から洗うのです)
セツコさんはいつものように小さなひしゃくで掛け湯をしました。
その瞬間、 「熱ッ!」 と叫び、ひしゃくを落としたそうです。
そこで同僚は自分のミスに気づき、 「すみません! 混ぜるのを忘れていました! セツコさん、大丈夫ですか? すみません!」 と謝りました。
「すみません、すみません」 とオロオロして謝る同僚に、セツコさんは、じーっと5秒ほど黙っていました。
熱ッ! となった時、セツコさんは体がビクッとなったそうで、かなり熱かったんだと思う、と同僚は言っていました。
腹が立ったはずなのに、セツコさんは、一切何も言わなかったそうです。
「ちょっと熱いから、水、入れるわな~」 といつも通りの口調で、にこやかに言い、その後はすぐに違う話を始めて、笑いながらおしゃべりを続けたのだそうです。
「私を気遣ってくれたんやろなぁ」 と同僚は言っていました。
セツコさんも、本人が反省して謝っているのだから、さらに上乗せして言うことに意味がない、と知っているのです。
もちろん、世の中には言わなければいけないこともあります。
が、言わなくてもすでに相手は十分わかっている、深く反省もしている、のであれば、わざわざ重ねて責める必要はないのです。
同僚は、この優しいセツコさんに、迷惑をかけることは二度とするまい、とその時心に誓ったそうです。
私もDさんの時にそう思いました。
これは子供や部下の場合にも当てはまると思います。
「お母さん、ごめんなさい、もうしません」 と子供が泣いているのに 「どうしてあんなことをしたの!」 「悪いとわかってるの!」 としつこく重ねて責めるのは良くないです。
反省して謝っているということは、しなきゃよかったと子供は自分を責めてもいるわけです。
自分で自分を責めているのに、親がそこに乗っかってさらに責める必要はないと思います。
部下が、こういう失敗をしました、申し訳ございません、と謝っているのであれば、その人は次からは同じミスをしないよう気をつけるでしょう。
部下だって、謝罪するのは嫌ですから、この失敗は二度とするまい、と肝に銘じているはずです。
それを、なんでそんなミスをしたのか、何してんねんお前は、などとクドクドしつこく責めるのは逆効果です。
真面目に反省していた気持ちが、 ”上司憎し” に変換されてしまいます。
あいつめ、あんなに叱りやがってー、こっちは謝ってんのに、と自分の失敗を棚に上げて、上司の人格批判で終わってしまう可能性もあります。
ごめんなさいと言っている相手の反省心を、何も言わずに丸ごと信じるのは難しいかもしれません。
ひとこと念を押したくなるのはやまやまですが、そこを我慢して何も言わなければ、それをされた方は心に残ります。
私の会社で、上司が心から反省して謝っている後輩を、しつこく怒鳴っている光景を見ていて、Dさんとセツコさんは偉いなぁ、と思いました。
これも人による、時と場合によるとは思いますが、私も2人を見習って、人の心をくんであげられる度量の大きい人間になりたい、とそう思っています。
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