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(^-^)
お盆の頃の、真夏真っ盛りの時でした。
Fさん (男性・独居) のお宅にサービスに入りました。
Fさんは、いつも台所に椅子を持ってきて、調理をしている私とおしゃべりをします。
Fさん宅は週に2回のサービスなので、他の日は自炊されています。
「みそ汁は、時間を置いたら火ィ入れとかなアカンな」
「この時期は特にそうですね~」
「こないだワシな、朝、みそ汁作ってな、そのまま置いて、次の日の朝食べよ思たら、酸いーーーなっとってな」
そりゃそうだろうなぁ・・・ここの台所、灼熱地獄だもんなぁ、と思っていると、 「しょうがないから全部捨ててなぁ。あれ、火ィ入れとったら大丈夫やったやろ?」 とFさんが言いました。
「そうですね、こまめに火を・・・ん? 酸いーーーなってた、って、Fさん! 飲んだんですか? そのみそ汁!」
「ひと口飲んだで?」
は? それが何か? みたいな感じで聞き返されました。
「酸いーーーみそ汁をひと口、ごっくんと飲んで、それで何ともなかったんですか?」
「なんともないがな」
すごい~、と思いました。
「私だったら、酸いーーーみそ汁を飲んだら、良くて下痢、ヘタしたらゲーゲーしてます」
「そんなことあるかいな、酸いーーーくらいで腹はこわさへんで」
「いやいや、こわしますよ。それはやっぱり、戦時中の食糧難でお腹が鍛えられているのでしょうね」
「何でも食うたからなー、汚いとか、酸いなってるとか、そんな贅沢言うてられへん。食えるもんは何でも食うた。虫まで食うたがな」
そういう時代があったせいか、高齢者の方々は、食べ物を粗末にしません。
Gさんも男性で独居の方です。
こちらも、とある夏の日でした。
夕食を作ろうと冷蔵庫を開けた時です。
Gさんが言いました。
「そうめんがあるやろ?」
見ると、器に茹でたそうめんが1輪分入っていて、ラップがかけてあります。
「そのそうめんも食うわ~」
しかし、よく見ると、なんだかねちょねちょしていたので、ノートで確認しました。
すると、おとといの昼に茹でたそうめんだと判明、嗅いでみたら、明らかに悪くなっていました。
Gさんは冷蔵庫を覗く時は全開にして、あれこれ考えながらいろんな物を手に取るので、しばーらく開けたままになっています。
さらに、ヘルパーの中には、作ったおかずがまだ熱いのに、冷めるまで待てないからと、熱いまま冷蔵庫に入れる人もいます。
Gさんちの冷蔵庫は大変古く、容量も小さいので、そんなことをすれば、中の冷気が30度の外気とすっかり入れ替わったり、熱いものの影響で周りの食品が傷んだりします。
そういう冷蔵庫事情もあってか、そのそうめんは悪くなっていました。
「Gさん、これ、おととい茹でたそうめんだから、もう悪くなってますよ~」
「えーっ! ホンマか? まだいけるやろ」
「いやぁ~、危ないです」
「あかんかぁ? ワシ、いける思うけどなぁ。洗ろたら大丈夫ちゃうか?」
「ん~、お腹こわすと後が大変ですよ~」
Gさんは排泄機能が少し衰えてきているので、リハパンを利用されています。
しばし考えていたGさんですが、私が 「とりあえず洗ってみましょか?」 と聞くと 「他にも食うもん、ぎょーさんあるしな、やめとこか?」 と諦めてくれました。
たとえ傷んだそうめん1輪でも簡単に捨てないのです。
男性だけではありません。
Hさんは女性で1人暮らしをされています。
女性ですので、調理の献立は自分で考え 「今日は豚肉を入れた煮物にするわ~。タマネギとニンジンとジャガイモを入れてなー」 と指示します。
野菜を切っていると 「豚肉はチルドに入ってるで、匂てみてな」 と言われました。
なんで嗅ぐ必要が? と思いましたが、パッケージを見て仰天しました。
賞味期限が5日も過ぎていたのです。
肉で! 5日も賞味期限が切れてて大丈夫か! と思いました。
嗅いでみると、ほんのり臭くなっており、これはヤバイのでは・・・と思いました。
「Hさん、ちょっと臭くなってますけど~」
「え? 臭いか? どれくらい臭いんや?」
「うわ、くっさっ! って程じゃないですけど・・・ちょっと臭いわ、っていう感じです」
「ほんなら大丈夫や。使こて」
「ええーっ! だ、大丈夫ですか?」
「火ィ通すし、大丈夫や」
「お腹こわしませんか?」
「アンタ、ホンマ気がこまいな~」 と言ってHさんはケラケラ笑い、 「こんなことでお腹なんかこわすかいな」 と言っていました。
たしかにHさんはお腹をこわすことなく無事でした。
賞味期限が1週間過ぎたちくわとか、納豆とか、期限切れの卵とか、しわしわに萎びた野菜とか、当然捨てるものだと思われているものも、高齢者の方は捨てません。
戦時中であれば、こういう食べ物も大事に食べられていたのだろうな、と思います。
私は今まで、牛乳など期限が来たら、バシャーッと捨てていましたが、試してみると、2~3日過ぎても大丈夫なことがわかりました。
他の物も、少々の期限切れくらいなら大丈夫なこともわかりました。(お腹が弱いなどの体質もあると思うので、これはあくまでも私の場合、です)
私は今まで、どれだけの食べ物を無駄にしてきたのか・・・と反省しました。
訪問介護の仕事をしてわかったことは、高齢者の人は、お金がもったいない、という理由で食べ物を捨てないのではないということです。
今まで、お金がもったいないから、お金を捨てることになると考えているから、だと思っていました。
が、話をよく聞くと、純粋に ”食べ物が” もったいない、と考えていることがわかりました。
食べ物は天からの恵みなので、それを大事にするということは、人間として、生物として、正しい生き方をされているのだな、と思います。
これは私も見習わなければ、と、食物は大切に使いきるよう心がけています。
(^-^)
お盆の頃の、真夏真っ盛りの時でした。
Fさん (男性・独居) のお宅にサービスに入りました。
Fさんは、いつも台所に椅子を持ってきて、調理をしている私とおしゃべりをします。
Fさん宅は週に2回のサービスなので、他の日は自炊されています。
「みそ汁は、時間を置いたら火ィ入れとかなアカンな」
「この時期は特にそうですね~」
「こないだワシな、朝、みそ汁作ってな、そのまま置いて、次の日の朝食べよ思たら、酸いーーーなっとってな」
そりゃそうだろうなぁ・・・ここの台所、灼熱地獄だもんなぁ、と思っていると、 「しょうがないから全部捨ててなぁ。あれ、火ィ入れとったら大丈夫やったやろ?」 とFさんが言いました。
「そうですね、こまめに火を・・・ん? 酸いーーーなってた、って、Fさん! 飲んだんですか? そのみそ汁!」
「ひと口飲んだで?」
は? それが何か? みたいな感じで聞き返されました。
「酸いーーーみそ汁をひと口、ごっくんと飲んで、それで何ともなかったんですか?」
「なんともないがな」
すごい~、と思いました。
「私だったら、酸いーーーみそ汁を飲んだら、良くて下痢、ヘタしたらゲーゲーしてます」
「そんなことあるかいな、酸いーーーくらいで腹はこわさへんで」
「いやいや、こわしますよ。それはやっぱり、戦時中の食糧難でお腹が鍛えられているのでしょうね」
「何でも食うたからなー、汚いとか、酸いなってるとか、そんな贅沢言うてられへん。食えるもんは何でも食うた。虫まで食うたがな」
そういう時代があったせいか、高齢者の方々は、食べ物を粗末にしません。
Gさんも男性で独居の方です。
こちらも、とある夏の日でした。
夕食を作ろうと冷蔵庫を開けた時です。
Gさんが言いました。
「そうめんがあるやろ?」
見ると、器に茹でたそうめんが1輪分入っていて、ラップがかけてあります。
「そのそうめんも食うわ~」
しかし、よく見ると、なんだかねちょねちょしていたので、ノートで確認しました。
すると、おとといの昼に茹でたそうめんだと判明、嗅いでみたら、明らかに悪くなっていました。
Gさんは冷蔵庫を覗く時は全開にして、あれこれ考えながらいろんな物を手に取るので、しばーらく開けたままになっています。
さらに、ヘルパーの中には、作ったおかずがまだ熱いのに、冷めるまで待てないからと、熱いまま冷蔵庫に入れる人もいます。
Gさんちの冷蔵庫は大変古く、容量も小さいので、そんなことをすれば、中の冷気が30度の外気とすっかり入れ替わったり、熱いものの影響で周りの食品が傷んだりします。
そういう冷蔵庫事情もあってか、そのそうめんは悪くなっていました。
「Gさん、これ、おととい茹でたそうめんだから、もう悪くなってますよ~」
「えーっ! ホンマか? まだいけるやろ」
「いやぁ~、危ないです」
「あかんかぁ? ワシ、いける思うけどなぁ。洗ろたら大丈夫ちゃうか?」
「ん~、お腹こわすと後が大変ですよ~」
Gさんは排泄機能が少し衰えてきているので、リハパンを利用されています。
しばし考えていたGさんですが、私が 「とりあえず洗ってみましょか?」 と聞くと 「他にも食うもん、ぎょーさんあるしな、やめとこか?」 と諦めてくれました。
たとえ傷んだそうめん1輪でも簡単に捨てないのです。
男性だけではありません。
Hさんは女性で1人暮らしをされています。
女性ですので、調理の献立は自分で考え 「今日は豚肉を入れた煮物にするわ~。タマネギとニンジンとジャガイモを入れてなー」 と指示します。
野菜を切っていると 「豚肉はチルドに入ってるで、匂てみてな」 と言われました。
なんで嗅ぐ必要が? と思いましたが、パッケージを見て仰天しました。
賞味期限が5日も過ぎていたのです。
肉で! 5日も賞味期限が切れてて大丈夫か! と思いました。
嗅いでみると、ほんのり臭くなっており、これはヤバイのでは・・・と思いました。
「Hさん、ちょっと臭くなってますけど~」
「え? 臭いか? どれくらい臭いんや?」
「うわ、くっさっ! って程じゃないですけど・・・ちょっと臭いわ、っていう感じです」
「ほんなら大丈夫や。使こて」
「ええーっ! だ、大丈夫ですか?」
「火ィ通すし、大丈夫や」
「お腹こわしませんか?」
「アンタ、ホンマ気がこまいな~」 と言ってHさんはケラケラ笑い、 「こんなことでお腹なんかこわすかいな」 と言っていました。
たしかにHさんはお腹をこわすことなく無事でした。
賞味期限が1週間過ぎたちくわとか、納豆とか、期限切れの卵とか、しわしわに萎びた野菜とか、当然捨てるものだと思われているものも、高齢者の方は捨てません。
戦時中であれば、こういう食べ物も大事に食べられていたのだろうな、と思います。
私は今まで、牛乳など期限が来たら、バシャーッと捨てていましたが、試してみると、2~3日過ぎても大丈夫なことがわかりました。
他の物も、少々の期限切れくらいなら大丈夫なこともわかりました。(お腹が弱いなどの体質もあると思うので、これはあくまでも私の場合、です)
私は今まで、どれだけの食べ物を無駄にしてきたのか・・・と反省しました。
訪問介護の仕事をしてわかったことは、高齢者の人は、お金がもったいない、という理由で食べ物を捨てないのではないということです。
今まで、お金がもったいないから、お金を捨てることになると考えているから、だと思っていました。
が、話をよく聞くと、純粋に ”食べ物が” もったいない、と考えていることがわかりました。
食べ物は天からの恵みなので、それを大事にするということは、人間として、生物として、正しい生き方をされているのだな、と思います。
これは私も見習わなければ、と、食物は大切に使いきるよう心がけています。
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