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仏壇の扉

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仏壇の中にホコリが積もっていて、仏壇内の気が滞っている・・・というAさんのお話の続きです。 (その記事は→コチラ

記事を書いた時は、私がサービスに伺い始めたばかりの頃でした。

それから徐々に、Aさんだけでなく、その家の実権を握っている父親とも親しくなって、いろんな話が出来るようになりました。

ですが・・・仏壇のことは宗教なので、どうしても切り出せずにいました。 (仏壇の中にいる母親に、お掃除と位牌の位置を変えて欲しいとお願いされたのです)

お盆が近くなるにつれて、位牌の位置はともかく、何とかお掃除だけはしてあげたい・・・と思っていたのですが、なかなか言うことが出来ません。

以前にも書きましたが、ヘルパーがしてはいけないことがあります。

利用者さんは介護保険のお金を使ってヘルパーに来てもらうわけです。

この介護保険の財源は、半分は介護保険料ですが、残りの半分は国・都道府県・市区町村の税金です。

生きていく為に必要なお手伝いをしてもらう、ゆえに介護保険のお金を使ってもいい、となっていて、生活に関係ない、しなくていいことまで、税金を使ってしてはいけない、というわけです。

そこは本当に厳しいです。

ヘルパーは、大掃除にあたる窓ふき、庭掃除や草むしりもしてはいけませんし、ペットの世話なども介護保険法の違反行為になります。

もしもAさん宅で仏壇のお掃除をして、 「うちに来るヘルパーさんは仏壇の掃除までしてくれるねんで」 とどこかでしゃべられたら、私が上司に叱られる程度では済みません。

監査が入ったりするとなると、会社に多大な迷惑がかかります。

お盆が近くなって、うーん、なんとかお掃除はしてあげたいんだけどー、あー困ったな、と思っていると、シフトの関係でしばらく私はそこのお宅のサービスから外れました。

次に行ったのはお盆の直前でした。

玄関を入ると、なんだか明るく見えたので、あれ? と思いました。

部屋に入ったら、仏壇にたくさんのお供え物がしてありました。

見ると、仏壇内部のホコリもキレイにお掃除されていて、ピカピカです。

ああ、良かった~、と思いました。

さりげなくAさんに聞くと、遠方に住む従妹が何年かぶりに来て、仏壇の世話をしてくれた、とのことでした。

位牌はまだ端っこに2体揃えて置いたままでしたが、仏壇内部の気は本来のあるべき気になっており、安心しました。

これでしばらくは大丈夫だな、と思いました。

それから何日かは、力を取り戻したご先祖様のご加護なのか、Aさんも父親もとても体調が良く、よく笑い、機嫌良く過ごしていました。

そんなある日、 「おはようございま~す」 と部屋に入って驚きました。

仏壇の扉がしっかり閉まっていたのです。

その日は、 「たまたま閉めたのかな?」 と思っていましたが、次に行った時も扉はガッチリ閉まっていました。

仏壇の扉は常に開けておくのがよく、閉めてしまうとご先祖様のご加護がこちらに届きません。

さすがにこれはヤバイと思ったので 「お仏壇の扉、閉めることにされたんですか~?」 と何気に明るく聞いてみると、父親が 「姪がな、閉めとけ言うねん」 と答えました。

「せっかくキレイにしてもろたのに、またホコリ入るやろ?」 と続けて言いました。

あー、そうか、そう考えるのかぁ、その理屈はわかる、わかるけど・・・。

ただでさえ気が滞っている家なので、ご先祖様を完全シャットアウトするのは良くないです。

そこで、もう一歩踏み込んで言いました。

「お仏壇の扉は開けておいた方がいいですよ~、閉めると守ってもらえなくなるそうですよ。奥さんと奥さんのお母様も、扉が閉まっていたら出入り出来ないし、なんだか息苦しそうですもんね~」

そう言うと 「いや、手ぇ合わせる時だけ開けたらええねんてー」 と父親は、もうこの話題ええやろ、みたいな飽きた感じで軽く言い、 「ワシな、あせもがまたひどなってなぁ、ほら、ここや、見てみ」 と違う話を始めました。

そうなると、もうそれ以上は言えません。

宗教の話は難しいとつくづく思いました。

それからすぐ、父親もAさんも体調が悪くなりました。

Aさんは手が痺れるようになり、肩から背中がパンパンに凝って痛がるようになりました。

湿布を毎日交換し、訪問マッサージを手配して、週2回プロが揉んではいるのですが、一向に改善しません。

父親は、下アゴが急に腫れ始め、数日で大きなコブが出来ました。

下くちびると歯茎の間に、大きなアメ玉を入れているような腫れ方です。

「これ何やろな?」 と本人はさほど痛みを感じないようでしたが、病院に行くよう言いました。

病院に行ってみると、歯と歯茎の間からバイ菌が入って膿がたまっていると言われたそうで、そのまま入院になりました。

口腔外科で手術をし、数日間入院していました。

またバイ菌が入ると大変なので、退院してから残った歯も抜きました。

大変な目に合った、と本人はかなり参っていました。

Aさんは、つい最近になって、じくじくした湿疹が顔や首などに出来ています。

皮膚の炎症がひどく時々、血がにじんでいたりもしています。

背中の凝りも全然良くならず、加えてハミガキのうがいで血が混じってきたりもしています。

すべてが仏壇の扉を閉じたから、というわけではないでしょうが、気が滞ったこの家で、ご先祖様の守りが届かなくなったことは大きいと思います。

もう一軒、数年前から常に仏壇の扉を閉めている、というお宅があります。

そのお宅も、いつも窓は閉め切っていて、夏もエアコンで乗り切り、窓はほとんど開けていません。

そこのお宅の夫はガンに罹り、手術は一応成功しましたが、それから体調が悪くなっています。

今は家から外に出られませんし、状態が悪化する一方です。

最近では軽く認知症が出始めており、情緒不安定にもなっています。

先日、妻の方も手術が必要な病気になって、入院しました。

気が滞った家はどうしても健康に支障が出ます。 (特にご高齢の方は、外出もせずずっと家の中にいるため影響を受けやすいです)

ここのお宅も、仏壇の扉を開放し、ご先祖様の守りをしっかりもらっていれば、ここまで悪くならなかったのではないかと思います。

仏壇の扉は、昼夜を問わず、常に開けっぱなしにしておくのがベストですが、宗派によって違うので、昼間だけでもずっと開けておくようにします。

時々で良いので内部のお掃除をしてホコリを溜めないようにし、たまにはロウソクやお線香・お供え物をあげて仏壇内の気を整え、ご先祖様のご加護がマックスでいただけるようにしておいた方がよいと思います。



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