フェニックスに到着したのは午後3時半で、予定の時間から2時間近く遅れていました。 伊丹から羽田に飛んで、さらにサンフランシスコまで飛び、そこで間に合わないとパニクり、全力疾走し、いつ出発するのかとイライラして待ち、そこからまた2時間のフライトで、やっとの到着です。 フェニックスに着いた時はもうぐったり、でした。 空港ターミナルビルを出て、「レンタカーセンター」 行きの無料シャトルバスに乗ります。 フェニックスはレンタカー会社がすべて 「レンタカーセンター」 という大型施設に入っていて、とても便利です。 アラモレンタカーのカウンターに行くと、中東から来たと思われる家族が話をしていて、言葉が通じないため結構時間がかかっていました。 その次に高齢のご夫婦が借りる手続きをして、やっと私の番です。 ここでも待ち時間を含め、予定外の1時間を費やしました。 手続きを終えると、渡された書類を持って1階に行きます。 1階は巨大駐車場になっていて、各レンタカー会社の車がたくさん置いてあります。 アラモのブースの前で順番待ちをしていたら、私より10歳くらい年上のおばちゃんが声をかけてくれました。 そして契約書を見て、「GPS?(ナビのことです)」 と聞きます。 イエスと答えると、1台持ってきて、ハイ、と私に手渡すのです。 えっ! えええっ! と驚愕しました。 これ、自分で取り付けるの! と。 日本ではナビが標準装備のところもありますが、格安レンタカーだとオプションです。 その場合、基礎? 台座? の部分は、車体の内部から配線がしてあって、すでにガッチリ取り付けられています。 ナビを借りる時は、モニター本体だけをセットしたり外したりするのです。 おばちゃんが持って来たのはモニター本体だけでなく、台座も含めて何やら黒い配線も、うねうねとあって、それを取り付けるのは無理! と思いました。 私が目を見開いて、あんぐり口を開けたまま、しばらく固まって驚き、 「自分で? 取り付けるんですか?」 と言うと、今度はおばちゃんが目をまん丸に見開いて、あんぐり口を開けて驚いてます。 はあぁぁぁぁ? という表情です。 なんでそんなに驚くねん、普通の人はできなくて当たり前です、と思っていると、おばちゃんはどこかから戻ってきた若いお兄ちゃん(後輩と思われます)に私の契約書とナビを渡しました。 お兄ちゃんにバトンタッチして、「設定してやって」 とも言っていました。 お兄ちゃんは、じぃーっと私を見つめると、「車をここにまわすから待ってて」 と言います。 え? アラモレンタカーはたしか、同じクラスの車数台の中から、好きな車を選べるシステムだったはず……と思っていると、比較的新しい車を持ってきてくれました。 お兄ちゃんは運転席のドアを開けたまま、さきほどのナビ一式を、置いていた台から取って配線の端っこ部分をシガーソケットにカチッと差し込みます。 へ? ま、まさか……それだけ? それだけでした! スマホなどの充電と一緒だったのです。 おばちゃんがどうしてあそこまで驚いたのか(本当に口をあんぐり開けて驚いていました)、ここで判明しました。 なるほど……そりゃ驚くわなぁ……。 (^_^;) 差し込むだけなのに、えええーっ! じっ、自分で取り付けるのっ! と取り乱していたのですから。 お兄ちゃんはナビの言語設定までしてくれて、非常に助かりました。 取り付けは無理! と勘違いして良かったです。 おかげさまで自分でやっていたら時間がかかったであろう言語設定をサクッとしてもらえたし、車もお兄ちゃんがいいものを選んでくれたので、帰国の日まで快適にドライブができました。 「このアジア人のオバハン、メカに弱そうやから、自分で車を選ばせたらハズレを引くんちゃうやろか……そんで、ちょっとしたことでいちいち電話してきそうな気がする……」 と思ったのではないでしょうか。 余計な仕事が増えそうや…… ( ̄_ ̄ i) と、私の顔をじーっと見ていた時に、そう考えていたように思います。 お兄ちゃんの正しい判断で、新車に近い車を選んでもらえて、ラッキーです。 ここでも予想外に時間がかかりましたが、ようやく、「セドナに向けて出発!」 となりました。 残った気力をふりしぼってハンドルを握りました……が、しかしですね……そこはアメリカですから、車は左ハンドルで……道路が逆です。 日本と違って右側通行なのです。 レンタカーセンターから出て、交差点で曲がるたびに緊張しました。続きをみる
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