全国をあちこちまわっていると、いろいろな神様がいるなぁ、としみじみ思います。 来月に発売される、新刊に書いているのですが、 ものすごくボロボロの服を着て、え? というくらい粗末な武器を持った神様がいました。 事情をお聞きすると、農民だった、と言うのです。 農民だったけれど、戦があれば、駆り出されたそうで、持っているのはその時の武器でした。 ええーっ、それって、武器? と言いそうになったほど、簡素なものでした。 本日、行った神社には、古代の服装をしていて、背中に矢を入れるものを背負った、男性の神様がいました。 正面から見た時に、矢が美しく見えるよう、工夫しています。 パッと見、「随身(ずいじん)」かな、と思いました。 随身の説明を、デジタル大辞泉から引用します。 【平安時代以降、貴人の外出のとき、警衛と威儀を兼ねて勅宣によってつけられた近衛府の官人】 けれど、よく見ると、神様は時代がもっと古いのです。 いや、だいぶ古いな〜、と思っていたら、「靭負(ゆげい)」という文字が見えました。 靫負については、日本大百科全書(ニッポニカ)から引用しますね。 【古代宮廷の警備に従事した武人の称。舎人(とねり)が太刀を佩(は)くのに対して、弓矢を負う者の呼称か。その資養に靫負部(ゆげいべ)が置かれた】 靫負のほうが、随身よりも古いです。 社殿からこちらを見ている神様は、誇り高く、気品があり、ものすごーーーく頭のよさそうな、続きをみる
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